健康ってなんだろう
ずっと健康でいたい、健康になりたい。
(悪い冗談で、「健康のためなら死んでもいい」。。。。)
そう願わないひとはいないはずです。
そのために、「健康診断」を受け、病院に通い、薬を飲みます。
いろいろと「健康にいいこと」を試してみます。
では、「健康」って何だろう?
そんなわかりきっているようなことを、医療従事者として、改めて考えてみました。
そんなの「病気がないこと」だろう!
と、おっしゃる方は多いと思います。
でも、(当クリニックに来られる方もそうですが)高血圧とか、糖尿病とか、コレステロールが高いとか、(中には、”がん”とか!)「病気」を持っていても、「いきいき元気」な方はたくさんいます。
その一方、いろいろ検査は「異常なし」、数字の上ではとても「健康」、でも、いつも体調が悪くて「元気がない!」方もたくさんいます。
そうしてみると、健康とは「病気と元気のバランス」ではないか、と思うのです。
病気というマイナスと元気というプラス。
その「和」が健康という全体。
そして「元気」のもととは、生きがい、仕事、家族、趣味、将来の夢、などなど。
重症の肺炎など、病気のマイナスを減らすことがとても大事な場合もあります。
血糖が少々高く、医者にうるさく食べ過ぎを注意され、でも、元気で仕事を生きがいにしたきたお父さんが、退職と同時に気力を失い、食欲もなくなり血糖が下がる、ということもあります。
この方にとっては、血糖が下がる=病気が減ることは、ちっとも健康につながらないのです。
わたしたち地域医療に携わる者は、病気を予防し、病気を治す能力はもちろん、元気を作り出す力量も持ちたいものです。
そして、「健康法」を考えるとともに、「健康観」もしっかり、築きたいと思うのです。