さよなら、スーちゃん
さようなら、スーちゃん、田中好子さん。
貴女とはいわば「同時代人」。
70年代にこの日本に「青春」を生きた者同士。
わたしが20歳のときに付き合っていた男が、キャンディーズの、というより「スーちゃん」の熱狂的なファンで、当時わたしはおこがましくも、貴女に嫉妬に似た感情を抱いていたものです。
キャンディーズが「ふつうの女の子」になってからは、貴女のことは忘れていました。
貴女に再会したのは、映画「黒い雨」。
たかがアイドル、と軽く観ていたわたしは、女優としてのあなたに衝撃と感動を覚えました。
それ以来、今度はわたしが貴女のファンになりました。
乳がんとの長い闘いを続けながら、女優としての仕事を全うした貴女に勇気をもらいました。
ゆっくりと休んでください。
貴女に青春の力をもらった多くの同時代の男たちが、ほろ苦い涙を流していると思います。
おりしも、今日から被災地は雨です。